私は、小さいころから起立性調節障害があって、よく倒れたりしていました。何度病院に行っていろいろと検査をしても原因が分からず、「立つときは気を付けてね」「また倒れたら来てください」という感じでしたので、その後もフラフラしたり、しゃがみこんだりすることも多々ありました。
なかなかつらいので、自分でいろいろな改善方法を試して、だいぶよくなり、最近は症状なく過ごせています。同じような方や、お子様が起立性調節障害でお困りの方もいらっしゃると思うので、その症状や、対処方法をまとめます。
起立性調節障害とは
起立性調節障害(起立性低血圧とも呼ばれる)は、主に思春期くらいに発症しやすいと言われていますが、大人でも症状のある人はいらっしゃると思います。
簡単に説明すると、人は起立すると、自律神経である交感神経が働くことで下肢にたまる血液を、循環させて、血圧が下がらないようにしているのですが、それがそれがうまく機能しない場合に、めまいやふらつきなどが起こります。また、その反対に交感神経が過剰に働き、動悸がしたりする場合もあります。
起立性調節障害の方は、自律神経失調症の方に多いので、頭痛、下痢、動悸などの症状もある方も多いのではないでしょうか。
下記は、起立性調節障害の症状例です。
起立性調節障害の症状
・立ちくらみ
・立っているとふらふらしてくる
・朝起きられない
・めまい、動悸
・だるい
・失神やあくび、しびれなど
私の経験~症状例~
朝起きられない
朝起きるのがとにかく苦手でした。生きている中で、朝起きることが一番いやなことと言っても過言ではありません。ぼーっとするのと、うっすら吐き気がずーっとあって、頭がキンキンしていて、本当につらいんです。生きているだけで精一杯という感じなので、何か話しかけられたりしても答えるのは本当に大変です。起きられても午前中は、何も考えられず、ただ自動で動いているという感じ。ただ、体を起こしておくのもつらいので、休日は一日中横になっていたい。
幼稚園の時は、こんな感じで朝から調子が悪く、吐いたりしていたのですが、いつもそうなので、精神的なものと判断されていたようで、なんとか幼稚園に連れていかれていつも先生に抱かれてぐったりしていたのを覚えています。
もし、お子様が起立性調節障害で…という方がおられたら、もしかしたらこんな感じなのかもしれません。ただ、子供のころはうまく説明できなかったですし、それが普通と思っていたので、親にうまく伝えられていなかったので、ただ朝が弱い、機嫌が悪いと思われていたのではないかと思います。
このような症状は大人になっても続きました。仕事にはなんとか行っていましたが、本当につらかったです。甘えなのではとかやる気がないのではなどと言われることがある症状ですが、やる気はあっても本当に体がつらいのです。
倒れる
私の場合は、入浴後によく倒れて、しばらくの間、失神していました。お風呂から上がろうとしたところまでは記憶があるけれど、そこから覚えていなくて、気づいたら親が駆けつけてくれていて…。みたいな感じが何度もありました。
立ちくらみ
授業後に立ち上がった時や、電車で座っていて立って歩き始めてしばらくフラフラしたり、朝礼でしばらく立っているとだんだん足元がふわふわした感じになって立っていられなくなってしまうことがありました。
立ちくらみにはこのように、急に立った時と長時間立っている時の2パターンがあります。
起立性調節障害の一般的な対策
一般的に起立性調節障害に対して指導される内容
・ゆっくり立ちましょう
・頭を急に上げない
・水分と塩分をしっかり摂取する
・運動をして筋肉(特に下肢)をつける
ただ、これらは症状に対する対症療法であり、原因の解決にはならないので、いつもまた倒れるのではないかという不安がありました。
私が実践して効果のあった対策
まずお伝えしたいことは、
☑ 調子が良いときと悪いときがあるなら、何か原因があります
☑ 自律神経が正常に働けるように、一つずつ対策をしていきましょう
自律神経を整える
まず、起立性調節障害の原因として、自律神経が正常に働いていないことが挙げられますので、自律神経を整える対策をとりました。
オメガ3脂肪酸を摂る
まず、食事に気を付けることです。脳は、約60%が脂質でできており、オメガ3脂肪酸(魚油に含まれるDHAやEPA)を必要としています。要するに脳が正常に働くために、オメガ3脂肪酸が十分に足りている必要があります。
不足していると、オメガ3脂肪酸の代わりにトランス脂肪酸が使われて、脳や神経の伝達に悪影響を及ぼすリスクがあるとされていて、自律神経にも影響を与えます。
脳や神経の働きに欠かせないオメガ3脂肪酸(魚油に含まれるDHAやEPA)を日ごろから不足しないように積極的に摂取しておくようにしておくと、とても調子が安定します。
オメガ3脂肪酸をしっかり摂っている時は、私の体感では、ぼーっとしたり、だるい感じが減って、神経が過敏で頭がキンキンしている感じが減ります。朝の調子もよく、わりと動ける感じがあります。
下記のサプリは、ソフトゲルでやや粒が大きいですが、飲みやすく、オメガ3の含有量が多いのでおススメです。
次に説明するトランス脂肪酸の摂取を減らすのは、現代の食生活においてかなり大変なので、まずはオメガ3の量を十分に満たしてみて、体調を見てみるとよいと思います。
トランス脂肪酸の摂取量を減らす
次に、自律神経の働きに悪影響を及ぼす可能性のあるトランス脂肪酸についてです。
参考:食品に含まれるトランス脂肪酸の量
- ごま油 0.6g/100g
- サラダ油,菜種油 平均1.2-1.4 g/100 g
- こめ油 0.3g
- ショートニング 13.6 g/100 g
- オリーブオイル 0.1 g/100 g
- アマニ油 0.3 g/100g
- バター 1.9 g/100g
- マーガリン 7 g/100g
- ビスケット・コーンスナック菓子 1.7-1.8 g/100 g
この他、牛肉や乳製品にも少量含まれています。
油類は、原材料名に植物油脂と記載されている場合あり。
私は、揚げ物や菓子パンなどを食べると、朝がいつも以上に起きにくくなっていることが多いです。
しかし、揚げ物大好きなため、ずっと避けるのはつらいので、トランス脂肪酸の量が少ないこめ油に変えて、から揚げやフライドポテトを作って食べてみると、症状はだいぶ少なくなっている実感があります。
※こめ油なども、加熱するとトランス脂肪酸の量が増えるとは言われていますが、元の量が少ないので、最終的な量も他の油と比較すると少ないままです。
まず、自宅で使う油を変えてみるといいかもしれません。
自律神経を整える漢方
起立性調節障害は、神経質で真面目なタイプ、思い悩むタイプの子供に多いとされます。胸のつかえる感じや、神経質なタイプ、息苦しい感じがあるなどの症状がある場合、半夏厚朴湯が効く場合があります。
半夏厚朴湯の効能効果: 気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸証:不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、神経性食道狭窄症、不眠症
体に循環する血液を増やす
水分を多く摂取する
水分摂取が足りないと、体内に循環する水分量が足りず、起立性調節障害の症状が出やすくなります。水分をしっかり摂って、血液の循環を良くすることが大切です。
貧血を予防する
水分摂取と併せて、貧血対策を行うとより効果的です。
「貧血」と指摘されていなくても、実は必要な成分が足りていないこともあります。貧血の改善方法は、下記の記事に詳しくまとめています。
体質を改善する
朝は、起きられず食欲もないけど午後から少しずつ元気になって夜はご飯もたくさん食べられて夜更かしもできるような体質をフクロウ型、朝から元気で早起きが得意で体もよく動くような体質をヒバリ型といいます。
朝、起きられず学校に行けないなどの弊害があり、不登校の原因になっている場合もあるそうです。学校や仕事に行きたくても、体がしんどくて行けないという方は、やる気の問題ではなく体質に原因があるのかもしれません。
そんなフクロウ型の体質の人に効果を示すことが多いといわれている漢方が、苓桂朮甘湯です。特に体の上部にたまった水を取り除く作用があり、めまい、立ちくらみ、フクロウ型の体質にも適応があります。
この漢方は、私には効果がありました。朝、頭がすっきりする感じがあり、クラクラするめまいも、朝のなんとなく気持ち悪い感じも止まりました。
漢方は市販のものもありますが、体質によって、効果が異なりますので、気になる症状があれば、病院や漢方薬局などで相談されるとよいと思います。
皆様やご家族の体調が少しでも良くなり、元気に過ごされることを祈っています。
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